研究者からのご挨拶

kawakami

「ストレスと健康・全国調査2013-2015(世界精神保健日本調査セカンド)」を実施します。この調査は平成14年から18年に実施された最初の「こころの健康に関する疫学調査(世界精神保健日本調査)」から10年ぶりに、日本のこころの健康の現状を明らかにするたえの大規模な調査です。

10年前の調査では、日本人の15人に1人がこれまでにうつ病を経験したことがあること、しかしこのうち4人に1人しか治療を受けていないことがわかり、わが国のこころの健康づくり対策を進めるための基礎データとなりました。またこころの健康と身体の健康との間に強い関連があることもこの調査から明らかになりました。

この10年間に、日本はさまざまな出来事や変化を経験しました。経済不況の中自殺が増加し(1998年~)、長時間労働などでうつ病になる人が増え、虐待、いじめ、暴力などによる心の健康問題が社会問題となり、また貧困や非正規雇用など心の健康の社会格差も大きな関心時になっています。平成23年3月には東日本大震災が発生し、被災者の心の健康問題にも関心が高まりました。一方で、うつや自殺への対策も地域で熱心に行われるようになりました。

大きな変化を経験した日本において、うつ病などこころの健康問題は増えているのか。10年前とくらべてこころの健康問題によって治療受ける人は増えたのか。こうした質問に回答するためには、ふたたび大規模なこころの健康調査を実施する必要があります。第2回「こころの健康に関する疫学調査」の結果が日本の新しいこころの健康づくりに役立つことを願っています。

ストレスと健康・全国調査2013-2015(世界精神保健日本調査セカンド)
主任研究者 川上憲人(東京大学大学院医学系研究科・教授)